■山椒の最盛期は?
山椒は、香辛料として使われるミカン科の植物で、独特のピリッとした辛さと清涼感のある香りが特徴的です。青い果実は料理に、黄色くなった果皮は乾かして七味唐辛子の原料として利用、若葉は「木の芽」と称して、和食の彩りや香りづけに使われます。さらに堅い木はすりこぎに用いられるなど、捨てるところがない植物です。 実山椒の旬は、4~5月にかけて黄色い花が咲いたあとの6月頃で、鮮やかな緑色の実がつきます。これが一般的に実山椒と呼ばれるもので、ちりめん山椒や佃煮などの料理に重宝されます。
■ぬか漬けを広めた北九州市。「ぬか漬け」やソウルフード「ぬか炊き」にも欠かせない山椒!
江戸時代初期、現在の福岡県北九州市小倉北区にある小倉城を築城し、豊前国を治めた細川忠興の頃にぬか漬けが伝わり、その後の国替えで小倉藩主となった小笠原忠真もぬか漬けを好んで食べていたようで、小倉城下の人々へも推奨したことからぬか漬けが広まったと言われています。 その後、北九州近郊で獲れる新鮮なイワシやサバをぬか床で炊き込んだ「ぬか炊き」が保存食として食されるようになり、現在でもソウルフードとして地元民から愛され続けています。 山椒の実には抗菌、防腐作用があるため、増殖しすぎた菌によってぬか漬けが酸っぱくなりすぎるのを防ぎ、腐敗菌の増殖を抑制することができます。また、山椒の実を加えることで、ピリッとした辛味や爽やかな香りがぬか床をより深い味わいに育ててくれます。 こうしたソウルフードとして長年愛されてきた「ぬか漬け」や「ぬか炊き」には山椒の実は欠かせない存在であり、弊社の担当者によると、北九州市での購入率はやはり高いそうです。
■実は冷凍保存も出来る山椒。
山椒の実が出回る時期は、5月から6月ととても短いので、見かけたら迷わず購入することをおすすめします。 また、山椒の実は冷凍保存が可能で、冷凍であれば1年間保存可能です。購入後すぐにした処理をして冷凍するのがおすすめです。
【山椒の冷凍保存方法】
①太い枝を取り除きます。
②沸騰した湯に塩を入れ溶かしたら、山椒を入れてさっと湯通しします。
③湯を切り、水にさらします。
④冷水に5〜10分つけます。
⑤水けをよく切り、保存袋に入れて冷凍庫で保存します。