秋の訪れを告げる代表的なフルーツ「柿」。上品な甘さで食後のおやつにもぴったりですが、いざ食べてみたら渋みが残っていたり、甘さがいまいちだったり…という経験はありませんか。今回は、おいしい柿に出会える確率がぐんとアップする「おいしい柿の見分け方」を紹介します。

甘柿と渋柿の違いって?
柿には甘柿と渋柿があり、この違いは渋み成分タンニンが口の中で溶けるかどうかで決まります。幼果期はどちらも可溶性タンニンを含みますが、甘柿は成長過程で不溶性に変化し渋みを感じなくなります。
甘柿はそのまま食べても甘くておいしいですが、渋柿はそのままでは食べられません。アルコールや炭酸ガスで処理するか、干し柿にすることでタンニンを可溶性から不溶性に変化させ、いわゆる渋抜きをして食べます。渋柿は渋抜きをすると強い甘みを感じ、おいしくなります。
柿の種類は意外にたくさん
■代表的な甘柿
早秋柿、太秋柿、次郎柿、秋王、富有柿など。そのままおいしく食べられます。
■代表的な渋柿
愛宕柿、西条柿、市田柿、刀根早生柿、平核無柿など。渋抜きして食べます。

おいしい甘柿の見分け方
■ ヘタの状態
ヘタが果肉に隙間なくぴったりと張り付いているものがおいしいといわれています。隙間のあるものは虫食いの可能性があったり、日持ちも悪く柔らかくなりやすいです。またヘタは4枚に分かれていますが、先端まで緑色でピンと張りがあり、しっかりきれいに残っているものを選んでください。健康的に成長し鮮度もいい証拠です。
■表皮の色
太秋柿など一部の柿を除き、柿は完熟すると鮮やかなオレンジ色に色づきます。全体的に色づきがよく、張りがあるものを選んでください。
明るめのオレンジ色の柿はサクサクとした食感が楽しめます。2~3日置くと色が濃くなりしっとりした食感に変わってきます。色が濃くなると、触って硬く感じても意外と果肉は柔らかいので注意してください。色は明るいオレンジ色のものを選び、柔らかい柿が好みの方は赤身かかったオレンジ色の柿を選ぶといいでしょう。
太秋柿は出荷期を迎えても青みが残っています。しかし青みがかった実からは想像もできない濃厚な甘みとサクサクとした食感を楽しめます。太秋柿のもう一つの特徴は条紋と呼ばれる輪状の筋が表面に現れているものがあります。この条紋は見かけはよくありませんが甘く熟している証でおいしい目印です。
■ 重量感
同じ大きさの柿で迷ったら、手に持って重たい方を選んでください。ずっしりとした重みを感じられる柿がおいしいといえます。また、柿は一般に小玉より大玉のほうが木に着果している数が少なく、栄養が行き渡っていると考えられます。

避けた方がいい柿の特徴
ヘタと果肉にスキがあるものは虫食いの可能性があったり、日持ちが悪かったりする可能性が高いです。手で触って全体が柔らかかったり、一部が柔らかかったりすると、熟しすぎているか内部に問題がある場合が多いです。選ぶ時には注意してください。色付きが悪いものや色むらのあるものは、味が薄い場合があるので避けてください。
柿は昔ながらのフルーツという印象があるかもしれませんが、近年は品種改良がすすみ、そのおいしさはさらにパワーアップしています。今年の秋は、秋の恵み「柿」のおいしさをたっぷりと味わいましょう。