福岡の正月に欠かせない「かつお菜」って?
みなさんは『かつお菜(な)』という野菜を知っていますか。かつお菜は福岡県の伝統野菜で、その9割以上が県内で生産されています。県外ではほとんど流通していないため、県外の人にとっては「幻の野菜」といえるかもしれませんね。
福岡では年の瀬が近づくと、この『かつお菜』がスーパーの売り場にずらりと並び、主婦たちは「待っていました」とばかりにこぞって大量買いしていきます。福岡ではなじみの風景ですが、県外の人たちにとっては「あの葉っぱをなぜみんな買っていくの?」「何に使うの?」と不思議に映るかもしれません。

ちりめんのような葉が特徴的
かつお菜はちりめんのようにちぢれた葉で、このちぢれが細かいほど食感がよいとされています。大きいものでは葉の長さが40~50cmに達することもあり、長く波打った形状が特徴的。葉の色は深緑色のため見た目には硬い印象を受けるかもしれませんが、加熱すると非常にやわらかく、ふくよかな食感が楽しめます。
名前の由来はその“旨み”にアリ!
その名の通り、魚のカツオのような深い旨みと風味の豊かさが特徴で、煮るだけで吸い物の味が決まるほど。名前の由来には諸説ありますが、「カツオだしがいらないほど旨みが強い」「煮るとカツオのような旨みが出る」からとされています。豊かな旨みにほのかな甘みも加わり、他の葉物野菜ではなかなか味わえない滋味深い味わいを添えてくれます。
古くから栽培され、地元で愛され続ける伝統野菜
江戸時代中期から福岡で栽培が始まったかつお菜は、漢字で「勝男菜」と書くことから、縁起物として正月に使われるようになりました。特に雑煮の具材として重宝され、だしの味わいを深め鮮やかな彩りを添えてくれる、まさに雑煮の「立役者」ともいえます。

カルシウム、鉄分など栄養も満点!
かつお菜は緑黄色野菜によくあるビタミン類も豊富ですが、カルシウムや旨味成分であるグルタミン酸も多く含まれている珍しい野菜です。また、カロテノイドやビタミンC、鉄分なども豊富で、強い抗酸化作用もあり、加熱しても栄養素が失われにくいのが特徴です。
かつお菜はお正月料理だけでなく、炒めたり煮びたしにしたりと幅広く使える万能野菜!さらに、旨みが強いので薄味でもおいしく食べられるのもうれしいポイントです。日々の食卓に積極的に取り入れていきましょう。
冷凍保存で賢く楽しむ
かつお菜は葉をカットして販売されていることが多いため、あまり日持ちはしません。すぐに使い切れない場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍保存する場合は、下茹でしてから、使うサイズにざく切りにしてラップで包み、保存袋に入れて保存します。これで1カ月程度は保存でき、使いたい時にすぐに使えて便利です。解凍するとビタミンが流れ出てしまうため、解凍せずにそのまま煮物やスープなどに使いましょう。
