秋の味覚を引き立てる「香酸柑橘(こうさんかんきつ)」は、果肉を味わうミカンとは異なり、搾った果汁の香りと酸味を楽しむ柑橘のこと。大分県のカボスや徳島県のスダチなど、西日本は全国に誇る香酸柑橘の一大産地。地域ごとに独自の「搾り文化」が息づいています。

すだち・ゆず・かぼすの違いって?
すだち、ゆず、かぼす…どれも同じに見えますが、じつは味も香りも違って個性豊かなんですよ。違いを知れば食卓がぐんと豊かになるはずです。
■すだち
98%が徳島県で栽培。爽やかな香りとキリッとした酸味が特徴。旬は8~10月で9月が最も風味がよいとされ、濃い緑色の状態で収穫されます。皮が薄く小ぶりでも果汁がたっぷり搾れ、スライスした際の見た目も爽やかで美しい果実です
■ゆず
生産量の約8割を四国3県が占め、大分・宮崎と続きます。果皮の青い8~10月はしっかりした酸味と爽やかな香り、黄色く熟すとまろやかな酸味と甘い香りに。特に皮の香りが良く、刻んで香りを楽しむなど、料亭や和食店でも重宝されています。
■かぼす
97%を大分県で栽培。8~10月が旬で黄色が混ざった緑色、その後完熟した黄カボス、11月頃からは緑色の貯蔵ものも出回ります。香酸柑橘の中では甘みが強く果汁たっぷり。やわらかな酸味で、料理や酒の風味を損なうことなくマイルドに包みます。
ご当地モノも個性派ぞろい!
じつは日本には30種類以上の香酸柑橘があるとされていて、まろやかな酸味と豊富な果汁の長門ゆずきち(山口県)、切れ味抜群な酸味のシークワーサー(沖縄県)、マイルドで果汁たっぷりのへべす(宮崎県)などがあります。地元のスーパーではなかなか手に入らないかもしれませんが、「道の駅」などで見かけたときはぜひ手に入れて、その違いを楽しんでみてくださいね。

